股関節(鼡径部)の痛みと排卵の関係
鼠径部(そけいぶ)の痛みの症例をご紹介します。
※鼡径部とは足の付け根、股関節あたりの前側部分。
今回の症例は、40代の女性。
2年ほど前から繰り返し右足の付け根が痛くなっていたそうです。
痛くなるたびに、接骨院に通っていたそう。
1、2回の通院で痛みはおさまるんだけど、2〜3か月経つとまた痛み出して通院の繰り返しだったそう。
こういう、その場では治った感じなのに繰り返す症状って原因がはっきりしない限り煮え切らない思いが続いてツライですよね。
症状は、重苦しい違和感がずっと続く状態だったそうです。
動きや歪みをチェックしていく
背屈(立って上体反らし)
この時に鼡径部の少し上にズキンと痛みは出る。
でも本人はこの時はじめてこの痛みに氣付いたとのこと。
こういった 、重苦しい中から響くような鈍い違和感や痛みって内臓性の症状の特徴だったりします。
となると、、、 この部位で怪しくなってくるのは子宮、卵巣。というか、大概は卵巣。 カウンセリング段階では婦人系の疾患はないとのことなので、病変は起きていないものの何かしらの臓器負担が考えられる。
卵管側のねじれ卵巣自体のねじれ・変位などを考慮していかないとまた繰り返す症状になってしまう。
右側にしか症状は出ないということは卵巣もどちらかだけの問題がうかがわしい。(この時点で右卵巣とは断定できません) ということは、生理周期が28日で来てる場合、排卵もしかり排卵は右左の卵巣が交互にくるので、隔月で痛みが出るなら確実なんだけどこの確証は得られず。
ただ、、、隔月で経血に固まりが混じってるとのことで影響は考えられました。卵巣に対する、ある程度の確信を持ってカウンセリング終了。
仰向けの状態で検査を進めていく。
寝て初めに目に付いたのが極端な左下腿の内旋
通常は仰向けになると足はこんな感じに開きます。けど、今回の患者さんは、
こんな感じで両足とも右に向いちゃってる。
卵巣の防御反射とでも言えばいいかな。卵巣の変位等があればこれが起きるんですね。いわゆる内股ですね。 この時点で実際に問題が起きてる卵巣は左側という確率が高まる。
さらに注目するところは鼡径靭帯。 骨盤のねじれ歪みがあればもちろん問題が起きるけど、そんな時は卵巣のねじれも起きてることが多い。 卵巣の影響で鼡径靭帯が硬くなりやすいんですよね。(臨床経験上ですよ。)
ここがね、極端に左側が硬い。
ほぼ左卵巣が原因だな〜と、この時点では判断するんです。 じゃ、なんで右の鼡径部が痛むのか?ってなりますよね。左の鼡径靭帯が硬い状態で、かつ仙腸関節も左が硬いんですね今回。
そうなると左をかばうように右の鼡径靭帯・仙腸関節は動きを増やすんです。 こういうのを補正作用と表現します。この影響が一つ。
ただ、これだけでは最初の立位反らしで出た痛みが説明つかない。なので、股関節の動きをチェック。すると、屈曲(太ももをお腹に近づける)も痛みが出る。これは部位特定で大腰筋という筋肉。
よく腸腰筋って聞くと思うんですがそれですね。
これね、腎臓の影響を受けやすい部分。 水分摂取が少なすぎて影響出てる方が多いんだけど、今回もそうですね。&前かがみでの作業なども多く直接筋肉にも負担がかかってたみたい。
ここまでのまとめ。
問題部位:左卵巣・右の大腰筋・右腎臓 |
じゃー、そこにアプローチすればいい? いやいや、もう一つ!深堀りして進めないと結局のとこ繰り返すんですよね。
なんで左の卵巣に負担がかかっているのか!?
これが大事ですね。単純に考えると隣接部位で、大腸(結腸)を疑います。
便秘や下痢はないかな!?って考えるんですね。
快便で毎朝出るって言ってたのに、お腹の硬さが強く緊張してる。もう一度詳しく聞いていくと、朝に便通はあるけど、夕方にも便意がある。でも、夕方は便意のみで排泄にいたらないんだそう。 快便にみせかけた宿便疑いですね!
これは、一般的に男性に多いみたいですけどね。そうなると消化器全般に目を向ける必要が、、、
結果的に肝臓・胆のう・胃・膵臓にけっこう負荷がかかってた。 触診的には左側臓器の胃・膵臓が下垂傾向にあったので、余計に左卵巣の負担になってたと推測。ちなみに肝臓・胆のうの負担が大きいと、脂質系の消化不良がおきやすくなります。 チョコレートや生クリーム、揚げ物、肉脂身やナッツとかを食べると胃もたれしやすくなるような状態ね。
今回の症状の原因をまとめると、、、
消化器官の負担と下垂〜卵巣負担〜右側の補正作用が入って右の鼡径部と大腰筋に痛み発症。 |
ってことになります。
※あくまで当院の見立てです。 知らず知らずに身体的には食べすぎになって負担がかかっていた状態ですね。 あなたは自分の身体と対話してますか?最近、自分のお腹が鳴る音を聞いていないなんて方は要注意ですよ。1日1回はお腹の鳴き声を聞いてくださいね♪
〜後記〜
この手の症状はレントゲンでは写らないですから整形外科にいっても湿布処方の確定ですね。
ひどい先生だとね、「氣のせい」って片付けてくる! 整体・接骨院でのよくありがちな施術としては、右の股関節・鼡径部・腰まわりに電気をかけたり、筋肉をほぐしたり、局部的にアプローチをかけて血流をあげて無理やりにでもその鼡径部(右足付け根)の関節の動きを出す。というやりかた。
その場しのぎにはなるけど、原因部位の特定を全然してませんからね、繰り返す原因不明痛の完成になってしまいますね。ただただ通わされちゃいますね。 あなたはどんな症状で悩んでいますか?
原因がよくわからなかったり、改善が見込めてなかったりする状態でお悩みならご相談ください。sasukeneなら、違った角度から見た原因を見つけますよ!