肝油ドロップは必要ない!?ビタミンA,Dを摂るなら普段の食事で十分摂れますよ!
こどものためには食べさせたほうが良いんでしょうか??
肝油ドロップを保育園で勧められて、毎日食べさせてるんですけど
あんなに甘いし、、、
本当に健康に良いんですか??
という質問をいただきました。
幼稚園の時以来、約40年ぶりに耳にした「肝油ドロップ」。
いまだにあったんですね!
というか
調べたら売れに売れてるそうですね、いまだにw
結論から言うと、
わざわざ買って食べるもんじゃない!
というのが僕の意見です。
なので「肝油ドロップ」は最強!最高!最良!
という「肝油ドロップ信仰派」のかたは気分を害される恐れがあるので
ページを閉じることをおススメします。
それでは、まずは肝油ドロップの中身から見ていきましょう。
カワイ肝油ドロップSの成分
カワイの指定第二類医薬品登録もされている定番商品「肝油ドロップS」を取り上げてみていきます。
画像引用元:カワイ肝油ドロップ
ビタミンA・Dの表示には国際表示(IU)という表し方があります。
単位の換算は
ビタミンA | ビタミンD |
---|---|
μg × 3.33 = IU | μg × 40 = IU |
IU × 0.3 = μg | IU × 0.025 = μg |
として計算します。
ビタミンA含有量
カワイ肝油ドロップにはビタミンD2は2粒で4000国際単位(IU)とあるので
1粒だと2000 IUとなり、、、
2000 IU × 0.3 = 600μg
600μg入っているということになります。
μgは、1/1000mg(1000分の1ミリグラム)ですから
600μg × 0.001 =0.6mgほどの含有量ということになります。
つまり、カワイ肝油ドロップ1粒にビタミンAは0.6mg入っているということに。
ビタミンD含有量
カワイ肝油ドロップにはビタミンAは2粒で400国際単位(IU)とあるので
1粒だと200 IUとなり、、、
200 IU × 0.025 = 5μg
5μg × 0.001 =0.005mgが含有量となります。
使い慣れた「mg」に直すとわかりやすいですね。
ビタミンAは、0.3を掛ける
ビタミンDは、0.025を掛ける
、、、覚えました♪
他に入っているものは?
添加物:カンテン、クエン酸、白糖、ブドウ糖、ペクチン、水アメ、グリセリン、クエン酸ナトリウム、香料、アラビアゴム
これらの成分が
(1粒の重さ) ー (ビタミンA・D 0.605mg) = 添加物
という割合で入っています。
今回、現物を用意してなくて1粒の重さを測れなかったので残念。手元にある方はぜひ重さを測ってみてください。
なんか、、、
必要ないものばかり入ってますね。
お菓子と変わらないな~
甘さを出しているのは
白糖、ブドウ糖、水アメが甘いというのはわかりやすいですが、
ペクチンも一役買ってます。
これ、増粘安定剤として使われているものですが成分は多糖類です。
危険性のある添加物
香料 | 香料として使われる成分は100種類以上あります。 その中から何品目、何十品目と組み合わせて特定の香りを作っています。 肝油ドロップSの場合は「バナナの香り」ですね。 中でも「イソチオシアン酸アリル」「サリチル酸メチル」「プロピオン酸」「ベンズアルデヒド」などは避けたいものだけど、、、香料としか表示されないので何を使っているか不明。 |
アラビアゴム | マメ科アラビアゴムノキ、またはその他の同属種の分泌液を乾燥してえられたもの。 【毒性】アレルギーを起こす可能性あり 喘息や鼻炎を懸念される。 アラビアゴムが添加された錠剤を飲んで、発熱、関節痛、発疹などを起こした人がいた。 |
危険性があるものをわざわざ食べさせるのは避けたいですね。
香料なんて何にでも入ってますよね、、、
食品には必ず「原材料」の表記があります。
表示ルールとして、割合の多いものから順に表記するように決まっています。
「 / 」のあとに表示されているものは添加物です。
香料に限らず、表示品目の少ないものを選ぶというのもポイントかもしれませんね。
蛇足ですが、
サプリなどは、その栄養素を摂りたくて買ったのに
原材料を見たら主原料が砂糖や余計なものばかりだった
ということも多いのでご注意を。
ビタミンAの作用について
ビタミンAの生理作用は多岐にわたります。
まずは欠乏または過剰になったときに何が起きるかをまとめます。
ビタミンA欠乏症 | ・乳幼児では角膜乾燥症 ・成人では夜盲症 ほかにもビトー班という泡沫上の沈殿物が白目に現れたり、 皮ふでも乾燥、肥厚、角質化がおこる。 |
ビタミンA過剰症 | ・脳圧亢進による頭痛や吐き気、脱毛、筋肉痛、皮膚の落屑 ・肝臓へのビタミンAの過剰蓄積による肝臓障害 ※レチノイド製剤やサプリメントの大量服用や、 レバーの過剰摂取などで発生することがある。 |
ビタミンAは
視覚、皮膚や消化管粘膜など上皮組織の構造と機能
感染予防、成長、生殖、免疫、骨・歯の発育、味覚、聴覚、中枢神経作用などにも関与します。
大きく3つ、
視覚・免疫・粘膜
に作用するビタミンと覚えておいてください。
不足するのはどんなとき?
足りないから補充するというのでは解決にはなりません。
足りなくなった原因を解決しないといつまでも補充し続けなければならなくなります。
ビタミンAの不足のおもな原因は
摂取不足、減量ダイエット、偏食
低たんぱく
亜鉛不足
胆汁の不足
アルコールの過剰摂取
などがあります。
ビタミンAの摂取基準
推奨量の数値はそれぞれ、目安量 / 耐容上限量を表します。
年齢 | 男性推奨量(μgRAE/日) | 女性推奨量(μgRAE/日) |
---|---|---|
0~5ヶ月 | 300/600 | 300/600 |
6~11ヶ月 | 400/600 | 400/600 |
1~2歳 | 400/600 | 350/600 |
3~5歳 | 500/700 | 400/700 |
6~7歳 | 450/900 | 400/900 |
8~9歳 | 500/1200 | 500/1200 |
10~11歳 | 600/1500 | 600/1500 |
12~14歳 | 800/2100 | 700/2100 |
15~17歳 | 900/2600 | 650/2600 |
18~29歳 | 850/2700 | 650/2700 |
30~49歳 | 900/2700 | 700/2700 |
50~69歳 | 850/2700 | 700/2700 |
70歳以上 | 800/2700 | 650/2700 |
肝油ドロップにはビタミンAが2粒で4000 IU入っているので、
1粒だと2000 IU。前述の計算で出した通り
2000 IU × 0.3 = 600μgRAE
ということになるので、
なるほど幼児には十分な量摂れるということになります。
耐容上限量を超えちゃうから、1粒までってことになりますね。
でもね、この量って食事でも余裕で摂れちゃうんですよね、、、
食事で摂ろうビタミンA
食材 | 含有量(μg) | 食材 | 含有量(μg) |
---|---|---|---|
鶏レバー 焼き鳥2本=60g | 8400 | 豚レバー 80g | 10400 |
うなぎのかば焼き 1串=100g | 1500 | ギンムツ 1切れ=100g | 1800 |
蒸しあなご 1尾=60g | 534 | アンコウの肝 1切れ=30g | 2490 |
ほうれん草 1/4束=80g | 280 | モロヘイヤ 1/4袋=60g | 504 |
かぼちゃ 80g | 264 | にんじん 1/5本=30g | 228 |
たまご 2個 | 300 |
一部をピックアップしましたが、他にも
シソ、パセリ、バジル、あゆ、春菊、よもぎ、だいこん葉、みつば、海苔、バター、わかめなどにも多く含まれます。
これらの食材を毎日ちょっとずつ食べるのって難しいでしょうか?
逆に毎日の食事をしっかり摂れていれば、肝油ドロップを食べちゃうとビタミンAの摂り過ぎになっちゃいますね。
この食材だったら毎日使える気がします♪
ビタミンDの作用について
一般的には、
骨にカルシウムを沈着させて骨を強くする
という作用に注目されますが神経伝達、筋j肉収縮、血液凝固などにも関わります。
ほかにも
医学的な作用として発表されているものには
抗がん作用、抗炎症作用、免疫調整、感染症予防、抗アレルギー効果、抗うつ作用、腸粘膜の保護、心血管保護、糖尿病予防
などもあります。
ビタミンD欠乏症 | くる病、骨軟化症、骨粗しょう症 |
ビタミンD過剰症 | 高カルシウム血症、、腎障害 |
2020年以降、
ビタミンD欠乏とコロナ感染の相関に関する発表も多いです。
免疫・感染予防にも役立ってくれる頼もしい存在です。
ビタミンDの摂取基準
推奨量の数値はそれぞれ、目安量 / 耐容上限量を表します。
年齢 | 男性推奨量(μg/日) | 女性推奨量(μg/日) |
---|---|---|
0~5ヶ月 | 5.0/25 | 5.0/25 |
6~11ヶ月 | 5.0/25 | 5.0/25 |
1~2歳 | 2.0/20 | 2.0/20 |
3~5歳 | 2.5/30 | 2.5/30 |
6~7歳 | 3.0/40 | 3.0/40 |
8~9歳 | 3.5/45 | 3.5/45 |
10~11歳 | 4.5/60 | 4.5/60 |
12~14歳 | 5.5/80 | 5.5/80 |
15~17歳 | 6.0/90 | 6.0/90 |
18~29歳 | 5.5/100 | 5.5/100 |
30~49歳 | 5.5/100 | 5.5/100 |
50~69歳 | 5.5/100 | 5.5/100 |
70歳以上 | 5.5/100 | 5.5/100 |
肝油ドロップにはビタミンAが2粒で400 IU入っているので、
1粒では200 IU。前述の計算で出した通り
200 IU × 0.025 = 5μg
こちらもビタミンA同様に、幼児には必要量摂れる計算になります。
でも
ビタミンDも食事で余裕で摂れます。
食事で摂ろうビタミンD
食材 | 含有量(μg) | 食材 | 含有量(μg) |
---|---|---|---|
アンコウの肝 1切れ=30g | 33 | 鮭(サケ) 80g | 26 |
さんま 1尾正味=100g | 19 | ちりめんじゃこ 大さじ2杯=10g | 6 |
いわしの丸干し 2尾=50g | 25 | マガレイ 1尾=100g | 13 |
うなぎのかば焼き 1串=100g | 19 | クロマグロ(脂身・生) 刺身5切れ=80g | 14 |
たまご 1個=50g | 0.9 | きくらげ(乾) 2枚=2g | 9 |
ほかにも、カツオ、イカ塩辛、しいたけなど魚類・きのこ類に多く含まれます。
これも日々食べるものが多いかも♪
鮭もしらすも、うちの子好きでよく食べてますよ。
ビタミンAもビタミンDもわりとよく食べる食材に含まれてるので
不足するのってよっぽどの偏食の場合くらいかなと思います。
わざわざ、肝油ドロップで摂る必要ってないでしょ?
肝油ドロップだと摂りたくない砂糖類とかもたっぷり摂っちゃいますしね、、、
さて、ビタミンDに関してはさらに食事以外でも
体内で合成する方法があります!それが
ビタミンDは紫外線で合成できる♪
ビタミンDの材料はコレステロールです。
紫外線を浴びることで光反応が起きて、皮下にあるコレステロールがビタミンDに変わります。
※日焼け止めクリームを塗ったら効果ないそうです。
歴史うんちく
ビタミンD不足に起因する骨の変形は19世紀の工業都市で頻繁に発生していたそうです。
19世紀から20世紀の変わり目のボストンでは
貧困層の子どもの約80%が骨変形を患っていたそうです。
タラ肝油と自然光を用いた対症療法が発見されたのが1919年のことだったそうです。
紫外線でビタミンDが合成できるってことが100年も前に発見されてるってすごいですよね!
紫外線量の季節と地域差
じっさい、どれくらい紫外線を浴びればいいのかがわからないと行動できないですよね。
ここでは季節や地域でまとめてあるものを紹介しますね。
夏 | 真夏の炎天下(AM10:00~PM2:00)なら 全国どこの地域でも15分紫外線を浴びれば十分。 |
春、秋 | 全国どこでも30分程度を目安にしましょう。 |
冬 | 東京であれば30分 沖縄で15分 北海道で1時間程度を目安にしましょう。 |
こどもと外で遊んだり散歩したり
してるうちにこなせるくらいの時間
なんで、できそうです♪
もちろんタンニングマシン(日焼マシン)でもビタミンDは合成できます。
裸で焼きますので、半そで半ズボンで散歩したときの4倍は合成できる計算らしいです。
週に1~2回、15~20分
を目安に浴びると良いそうです。
※日本タンニングセーフティ協会の定める安全基準をご確認してからご利用してください。
⇒http://www.safetytan.org/category/1376162.html
郡山の日サロはここにあります
残念ながら須賀川市では見つけられず。
白河にもあるようですが今回はウェブサイトを持っておられる店舗さんだけ記載しておきますね。
日焼けサロンCrowd 特に抵抗なく入れました。
〒963-8861 福島県郡山市鶴見坦2丁目16−1 M・Mビル
https://www.gurutto-koriyama.com/detail/337/index.html
ザ・サンラウンジ郡山店 未入店です。
〒963-8002 福島県郡山市駅前1丁目4−9 野田屋ビル 3F
https://sunlounge.co.jp/shop/
日焼けサロン サンルージュ郡山 未入店です。
〒963-8017 福島県郡山市長者2丁目20−12
http://sunrouge.net/
極楽湯 福島郡山店 ※男湯にのみ日焼マシンあり
〒963-8051 福島県郡山市八山田西5−130
http://koriyama.gokurakuyu.jp/
まとめ
肝油ドロップを食べれば、 ビタミンA、ビタミンDの一日の必要摂取目安量を摂れる。 でも 糖類が多く入ってしまっている。 添加されている原材料に気がかりがある。 ビタミンA、ビタミンDの一日の必要摂取目安 は食事でも十分摂れる。 |
以上の内容をふまえて
お子さんに食べさせるかどうか
考えてみてください。
ありがとうございました。
私は、食事と外遊びを頑張りたいと思います♪
参考文献: 厚生労働省ページhttps://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c03/13.html
新星出版社 中嶋洋子 監修 「いちばん詳しくて、わかりやすい!栄養の教科書」
メタモル出版 渡辺雄二 著 「食品添加物毒性判定事典」
西東社 川島由起子 監修 「栄養学の基本がわかる事典」
GAIA BOOKS 「ポケットアトラス栄養学」
主婦の友社 南雲吉則 著 「紫外線のすごい力 」
小学館 斎藤糧三 著 「サーファーに花粉症はいない」
USDA National Institute of Health Office of Dietary Supplements