腱鞘炎について。この原因部が大事!
腱鞘炎、ここで紹介する「原因」を見逃すと痛みが長引きます
このページではご相談の多い症状の一つ、
腱鞘炎
の原因についてご解説していきます。
あなたも腱鞘炎という傷病名はよく耳にすると思います。
ほかにも、バネ指や手根管症候群などなど手の回りの傷病って
耳にすること多いと思うんですがごっちゃになってしまっていて
腱鞘炎がなんなのかを理解できていない方も多いです。
まずは腱鞘炎について症状・状態を解説していきます。
腱鞘炎ってどんな状態なのか?
すごくよくまとまってるイラストなのでお借りしちゃいました。
腱鞘炎の解説はこの画像に集約されています。
短母指伸筋と長母指外転筋の腱が、
腱鞘と呼ばれるトンネル部分を通っているんですね。
図にあるように親指の使い過ぎによってこの腱鞘に炎症が起こって
肥厚してしまい痛みが起こる、、、
というのが定説になっています。
筋肉の場所はどこ?
腱鞘炎のポイントになる短母指伸筋と長母指外転筋
下図から見つけてみてください。
これはどんな動きをする筋肉なのか?
それぞれ、
親指を伸ばす・親指を外転するための筋肉です。
GOOD!やいいね!
のジェスチャーで親指を立てる動き。
このときに使っている筋肉です。
セルフチェック方法「ドケルバンテスト」
この部位の腱鞘炎をドケルバン病とも言います。
そのため、検査方法の名前も「ドケルバンテスト」
といいます。
これが簡単にできる検査でセルフチェックに使えるのでご紹介しますね。
画像のように動かすだけです。
1,親指を握り込む
2,握ったまま、小指側に手首を曲げる
これによって 短母指伸筋と長母指外転筋の腱が引っ張られるので
炎症があれば痛みを生じます。
この検査で痛みがあれば腱鞘炎疑いがあるってことになりますね。
治療・・・
一般的に整形外科や接骨院などで
腱鞘炎を診る時はここまでで検査終了が多いです。
あとは
電氣をかけたり、ストレッチしたり、揉んだり、押したり、
サポーターを着けたり、、、
湿布したり、シップしたり、しっぷしたり、、、、、
いつか、痛みが引くその日が来るまでその繰り返しです。
それで改善しなくて当院に来られるかたが多いんですけどね。
原因を考えるのが「大事」
本当に使い過ぎたことが問題で
腱鞘炎になったんでしょうか???
そんなに使う動きじゃないと思うんですよね。
美容師・理容師さんはカットのときに使うでしょう。
注射を打つ仕事でも使うでしょう。
PCのタイピングでもまぁ、、、使う人もいるかな。
でも実際は
それ以外の職業のかたで
あまり手を使わないかたがご相談に来ることのほうが多いです。
腱鞘炎の部分だけじゃなくて、
からだ全体を広範囲でみる、深浅層でみるってことをすると
安易に使い過ぎっていう話ではなくて
短母指伸筋と長母指外転筋に
負担をかけざるを得なかった本当の原因が見えてきます。
代表的な原因を3つご紹介しますね。
舟状骨が動かなくなってしまう問題
手首には小さな骨があります。
舟状骨・月状骨・三角骨・豆状骨・大菱形骨・小菱形骨・有頭骨・有鈎骨
の8つの骨です。
親指の動きに密接するのはそのうちの
大菱形骨と舟状骨
です。
今回は臨床上で腱鞘炎に影響しやすい舟状骨について解説します。
舟状骨が動かなくなると
舟状骨の骨折・壊死が起きてしまったときに固定手術をした時や
構造的、生理的な理由(一般的に言う歪み)で動きが固くなってしまった時には
手首自体の動きに制限がかかってしまいます。
写真の合掌のように、手首を90度以上曲げる(背屈)ことが出来なくなってしまいます。
床から立ち上がるときに手を付けない。
四つん這いや腕立て伏せの姿勢が取れない。
なにかを引き上げたり引っ張る動作が出来ない。
といった日常生活動作への支障が出てきます。
舟状骨の位置を確認する
手首を伸ばして「パー」を作ると写真のように
手首にくぼみが現れます。
ここを解剖学的に「タバチュール」と呼び
この内面に舟状骨があります。
支点となる要石
短母指伸筋と長母指外転筋を使って親指を動かすとき、
舟状骨
が「支点」となります。
ここがしっかりしていなければ、この二つの筋肉は出力を出来ないのです。
腱鞘炎の前段階
そもそも舟状骨の動きが固くなっている場合。
舟状骨が固い ↓ 短母指伸筋と長母指外転筋が使いづらい ↓ 使い続ける ↓ 短母指伸筋と長母指外転筋に必要以上の過度な負担がかかる ↓ 結果、腱鞘炎 |
という段階を経て腱鞘炎を起こしている可能性があります。
この場合たとえ短母指伸筋と長母指外転筋だけ施術して
改善したとしても、
舟状骨の動きは回復していないのでまた腱鞘炎を繰り返す
可能性があります。
そのため、接骨院sasukeneでは
ここの見落としをしないように心がけており、
舟状骨の固さが目立つ場合は最初に
矯正を行って動きの回復をします。
※正確には舟状骨が固くなってしまっている原因をさらに見つけて改善します。
胃が引き金になっている問題
実際はこの胃の問題から腱鞘炎へと進んでいくパターンのかたが多いのです。
とくに、
妊産婦のつわりの強いかた。
出産後で胃腸の不調の続くかた。
胃腸炎になりやすいかた。
胃潰瘍になりやすいかた。
普段から胃が重くなりやすいかた。(胃もたれ)
ストレスの多い生活のかた
食事の荒れているかた
というようなかたは要注意です。
筋肉の作用
胃が悪くなって直接
短母指伸筋と長母指外転筋に問題が起こるわけではありません。
いわゆる筋バランスの問題なんです。
筋肉は単体だけで動くということが日常ではありません。
一緒に動く連なりがあります。
同じライン上で協同作業(一緒に伸び縮み)
反対側で拮抗作業(縮む筋肉×伸びる筋肉)
同ライン上で拮抗作業(縮む筋肉×抑える筋肉)
などがあります。
そういった、連動作用が「胃と腱鞘炎」をつないでいきます。
胃に関連する筋肉
位の不調が出た時に緊張・収縮・機能低下してしまう筋肉があります。
画像内にあらわした
大胸筋、斜角筋、上腕二頭筋、回外筋、円回内筋、母指対立筋
がその筋肉です。
短母指伸筋と長母指外転筋に直接影響するのが母指対立筋です。
両者は拮抗する対立関係にあります。
筋肉 | 作用 |
短母指伸筋・長母指外転筋 | 親指を拡げる・立てるときにはたらく |
母指対立筋 | 親指を手のひら側に動かす(握る)ときにはたらく |
逆の動きをする筋肉なんですね。
胃に不調がおきて
胃に不調が起こってしまったとき。
母子対立筋の緊張・収縮・機能低下がおきます。
これは親指を握る動きがしづらくなるということ。
緊張がおきるので筋肉自体も伸びる動きが悪くなります。
短母指伸筋と長母指外転筋が動こうとしたとき。
つまり、
親指を拡げようとしたときには母指対立筋は伸ばされるが正常。
でも母指対立筋は伸びづらくなっている!
短母指伸筋と長母指外転筋はいつも以上に出力を出さなければ
親指を動かせないという状況に。
これは、力の支点になる舟状骨にも腱鞘にも負担がかかります。
この状況が慢性的になればなるほど腱鞘炎リスクは上がります。
まとめると
胃が不調になる ↓ 母指対立筋の緊張・収縮・機能低下が起きる ↓ 短母指伸筋と長母指外転筋に過剰な力が入る ↓ 舟状骨・腱鞘にも負担がかかる ↓ 結果、腱鞘炎 |
つまり!
胃の不調がスタートラインになっているわけです。
この場合は胃の不調をとりのぞく必要が出てくるわけですね。
接骨院sasukeneでは
まずは腱鞘炎自体の痛みがおさまりやすい状態に関節や筋肉を戻していきます。
同時進行で、胃の調整を進めながら
胃に負担をかけている食事習慣や生活習慣の見直しを進めます。
ここまで見ていかないと再発の懸念は消せません!
DFALラインで起こる問題
最後に筋膜の問題の話をします。
アナトミートレインと呼ばれる筋膜のつながりをあらわす概念があります。
全身に数本ある筋膜ラインがバランスを崩して色々な歪みや症状などをつくっていくのですが、
今回h直接的に腱鞘炎に関係するラインのお話。
ディープ・フロント・アーム・ライン
Deep Front Arm Line (DFAL)
と呼ばれているラインです。
このラインは親指から胸までを走るラインで
胃の項でお話した「母指対立筋」を通るラインなんです。
このラインに異常があれば、
胃の項のような流れで腱鞘炎の引き金になる可能性があります。
このライン上にあるどこかの筋肉で問題があれば
ライン自体の異常につながります。
そしてこのラインで重要なことは
肩関節・肘関節・手関節
の3関節を通っているということ。
実際の腱鞘炎のかたで
このラインの異常があり、
肘関節
の歪みを起こしているかたも少なくありません。
筋膜からでは改善できず肘関節の矯正を必要とすることもあります。
まとめ
本当に使い過ぎたことが問題で
腱鞘炎になったんでしょうか???
と前述しましたが、あなたはどう思われますか?
私はただの使い過ぎではないと考えています。
だって、ここで紹介したような問題が少なからず存在するのですから。
実際は書ききれない程に多岐に渡る原因が存在します。
腱鞘炎の原因は千差万別!人によってぜったいに違うんですよ。
だからこそ、
そんな原因がひそんでいるのかを見つけるための検査やカウンセリングに
力を入れていますし
どんな原因が出てきても対応できるように
技術も知識も増やし続け磨き続けています。
あなたがもし、腱鞘炎でお悩みで
慢性的に苦しんでいる状況でしたら
お力になれると思います!
LINEでのご相談も受け付けております。
悩んで苦しむ無駄な時間を使う前にご連絡くださいね。